モデル事業体の取り組み 曽於市森林組合

先進的林業機械による作業システム実証の取組事例

ロングリーチグラップル付きスイングヤーダによる一貫作業システムの構築

曽於市森林組合
〒899-8608 鹿児島県曽於市末吉町南之郷77番地3
TEL 0986-76-0066 FAX 0986-76-1305
新たに導入した主な林業機械
  • ロングリーチグラップル付きスイングヤーダ
構 成 【 型   式 】SK135SR-2ES
【 メーカー 】コベルコ建機株式会社
【全 長】7,410mm
【全 幅】2,490mm
【全 高】2,820mm
【重 量】13,800kg
【エンジン】出力69.2kW(94ps)
【 型   式 】Q150L
【 メーカー 】古川ユニック株式会社
【最大開き幅】1,480mm
【 型   式 】IW-33A
【 メーカー 】株式会社南星機械
【直引力】29.2kN(2,978kgf)

現行システムの課題

現行システムでは、単胴ウィンチ又はグラップルによる木寄せ・集材工程が一般的です。しかし、単胴ウィンチ集材は荷寄せ索の引き出しを人力で行うため、作業効率の低さや労働負荷の高さが課題でした。グラップル集材は高密度路網が必要で、その作設経費が課題でした。また、再造林では地拵え作業と植栽苗の運搬が重労働であり、これらの生産性が作業システム全体のボトルネックでした。

作業システム改良の取組概要

  • ロングリーチグラップル付きスイングヤーダの導入

木寄せ・集材工程の効率化を図るために、ロングリーチグラップル付きスイングヤーダを導入しました。作業道から約30mの範囲はロングリーチグラップルによる車両系集材とし、約130mの範囲はスイングヤーダによる架線系集材を行います。
また、再造林における地拵え作業の「うね立て」は1列から3列作設を可能にし,植栽苗もスイングヤーダ機能等で運搬します。このように、1台で多機能の機械を導入することで、集材~再造林の工程の効率化、集材可能範囲の拡大、機械の稼働率向上を図ります。

  • 機体の安定性の向上

機体の安定性を確保するため、2 胴ウィンチをアーム直下部へ架装し、重心を機体中央へ近づけました。あわせて、アーム前方に取り付けた滑車とのフリートアングルを確保し索の乱巻きを防ぎます。さらに、集材作業の安全性を高めるため、履帯横に2本のアウトリガーとカウンターバランス側に3方向へのガイラインを装備しました。また、地形の変化にも対応できるエンドレス式でスピーディーな集材と魚骨型等の横取り集材を容易に行える割りドラムを製作しました。