モデル事業体の取り組み 石央森林組合

先進的林業機械による作業システム実証の取組事例

クローラ式タワーヤーダと牽引式木材破砕機の導入による全木集材・利用システムの開発

石央森林組合
〒 697-0121 島根県浜田市金城町下来原1561-7
TEL 0855-42-2400 FAX 0855-42-2403
新たに導入した主な林業機械
  • クローラ式タワーヤーダ
    (3ドラム型ランニングスカイライン方式)
構 成 【 型   式 】NR301
【 メーカー 】IHI 建機株式会社
【 全  長 】6,010mm
【 全  幅 】2,620mm
【 全  高 】2,725mm
【 重  量 】10,500kg
【 エンジン 】出力 89.7kW(122ps)
【 専用搬器 】
 ホイストラインワイヤー長50m、
 牽引力:14.7kN(1,500kgf)
【 最大速度 】12.6km/h
【 タワー高 】8,200mm
【最大集材距離】250m
【搬器走行牽引力】29.4kN(3,000kgf)
  • 牽引式木材破砕機
構 成 【 型   式 】TP250 MOBILE TURNTABLE
【 メーカー 】Linddana A/S
【 生 産 国 】デンマーク
【 全  長 】4,189mm
【 全  幅 】2,255mm
【 全  高 】3,164mm
【 重  量 】2,180kg
【 エンジン 】出力 53.7kw(73ps)
【最大破砕直径】250mm(切削式)

現行システムの課題

島根県浜田市周辺の人工林率は26%に留まり、人工林の利用間伐と広葉樹を中心とした製紙用チップ生産が行われています。加えて隣接する江津市で木質バイオマス発電所が計画され、木質チップ需要の増加が見込まれています。これらへの木材供給を考えたとき、集材工程(スイングヤーダ、集材機)は架設撤去時間等に起因する生産性の低さ、搬出工程(従来型フォワーダ)は枝条を含めた原木運搬は空隙が多くなり非効率であることが課題でした。

作業システム改良の取組概要

  • クローラ式タワーヤーダの導入

クローラ式タワーヤーダの導入により、当地域の7 割を占める急傾斜地において、効率的な架線系集材システムの実現が期待されます。集材機と比べて架設撤去が容易で、スイングヤーダよりも集材距離を伸ばすことができます。ベースマシンの全幅は2.2m であり、既設作業道での利用が可能な点も利点です。

  • 牽引式木材破砕機の導入

タワーヤーダで全木集材した後、枝条や造材端材は約1ヶ月間造材現場で天然乾燥させ、その後に現場で木材破砕機によりチップ化します。残材もチップ化した後にコンテナ輸送することで、効率化を図ります。従来は残材として利用されなかった資源を木質チップとして利用可能とします。