
2015年4月6日
「新たな架線集材システム検討会」を開催しました
「新たな架線集材システム検討会」現地検討会および講演会
開催結果概略
平成27年2月25日(水)、26日(木)に和歌山県にて、
「新たな架線集材システム検討会」を実施しました。本検討会では、無線操作・
搬器の自動走行機能を新開発・実装した油圧式架線集材機のデモンストレーション、
および有識者等による講演・事例発表を行いました。両日とも、地元・和歌山県を
はじめ全国各地から多くのご参加をいただきました。
[開催概要]
「新たな架線集材システム現地検討会」
日 時:平成27年2月25日(水)14時~16時
会 場:和歌山県有田郡広川町 山林
内 容:油圧式架線集材機のデモンストレーション
参加者:173名
「新たな架線集材システム講演会」
日 時:平成27年2月26日(木)9時~12時
会 場:和歌山県田辺市 ガーデンホテルハナヨ
内 容:架線系作業システム(集材機・タワーヤーダ等)をテーマにした
講演・事例報告
参加者:121名
共 催:和歌山県、架線集材の低コスト化・省力化技術研究会、株式会社前田
製作所
進 行:株式会社自然産業研究所
「新たな架線集材システム現地検討会」(2月25日)
現地検討会では、和歌山県内の林業関係者で組織する
「架線集材の低コスト化・省力化技術研究会」と株式会社前田製作所が共同で
開発した架線集材機「FY273」について、その機能の解説と集材作業のデモン
ストレーションが行われました。
本集材機は、平成25年度に、完全油圧制御で機械式集材機と同等の性能を実現
するとともに、「安全で簡単に操作できる集材機」として新開発されました。
主な特徴は次のとおりです。
・3胴のドラムを完全油圧制御により運転することを実現
・インターロック機能を搭載
・バックテンション調整機能装備
・ジョイスティック操作レバー採用完全油圧制御による大出力・スムーズな動作
この油圧式集材機に、今年度、次の3点の機能を付加されました。これにより、
「生産性・安全性の向上を実現できる普及機」を目指すことが紹介されました。
・無線操作の実現 ⇒ 土場造材者と先山荷掛手が搬器を目視し集材機を遠隔操作
・搬器の自動走行 ⇒ ドラム回転数により搬器位置・走行を制御
・監視カメラ・モニタ ⇒ ドラムをプロセッサより遠隔監視
参加者の多くは、新たに追加された「搬器の自動走行機能」および「無線操作機能」
について高い関心を示していました。
※今回ご紹介しました油圧式架線集材機は「平成24年度補正 林野庁補助事業
先進的林業機械緊急実証・普及事業」および「平成26年度 林野庁委託事業 次世代架
線系高性能林業機械等開発推進事業」の支援を得て開発されました。
新たな架線集材システム講演会」(2月26日)
講演会では、日本の架線集材システムの発展経過や到達点・今後の展望に関する講演、架線集材システムの導入事例に関する最新動向についての事例報告が行われました。
基調講演
「次世代林業に向けた新たな架線集材その展望と課題」
後藤 純一 氏 (高知大学 教授)
・後藤氏には、国内外の林業・作業システムについて長く研究してこられたご
見地から、日本の林業を取り巻く状況の変化、地形・作業条件と作業システ
ムの選択、架線集材システムの発展過程と今後の展望などについて講演いた
だきました。
事例報告
(1)「進化してゆく集材機」
井硲 啓次 氏 (株式会社井硲林産 代表取締役)
・井硲氏には、油圧式集材機の開発プロジェクトをユーザー側から主導された
ご経験から、和歌山県の作業環境に適した集材機械を検討してきた経過、油
圧式集材機の開発コンセプト、開発結果の手応えと今後の開発への期待など
についてご発表いただきました。
事例報告
(2)「油圧集材機を製作して」
小林 武弘 氏 (株式会社前田製作 企画管理部長)
・小林氏には、油圧式集材機の開発プロジェクトを機械メーカー側で主導され
たご経験から、油圧集材機完成に至る過程、ユーザーニーズの把握、開発コ
ストと普及の関係などについてご発表いただきました。
事例報告
(3)「MAN YARDER 4000-JAPANの作業システム」
前田 章博 氏 (前田商行株式会社 代表取締役)
・前田氏には、タワーヤーダによる集材システムを長く運用してこられたご経
験から、日本向けに開発された欧州製タワーヤーダの導入事例を題材にその
効果と今後の展望についてご発表いただきました。
事例報告
(4)「高知県における架線集材の現状と課題解決に向けて」
山﨑 敏彦 氏 (高知県森林技術センター 森林経営課チーフ)
・山﨑氏には、高知県の多様な架線集材システムを研究するとともに現場を支
援してこられたご経験から、多様な架線集材の事例、機械開発や導入の最新
事例、技能者育成の取り組みなどについてご発表いただきました。
講演・事例発表の後は、演者と会場の間で活発な質疑・意見交換が行われ、盛況のうちに終了しました。
資料ダウンロード
現地検討会 資料
プログラム(137KB)
油圧式集材機FY273 説明資料(880KB)
講演会 資料
配付資料全編(10.9MB)
表紙・プログラム(334KB)
後藤純一氏 基調講演資料(5.6MB)
井硲啓次氏 発表資料(1.4MB)
小林武弘氏 発表資料(387KB)
前田章博氏 発表資料(6.8MB)
MAN YARDER 4000-JAPAN資料(271KB)
山﨑敏彦氏 発表資料(1.2MB)
山﨑敏彦氏 補足資料(324KB)